配属希望者の皆さんへ

(2025年8月)

盧研究室のホームページをご覧いただき,ありがとうございます.

本ページは,仮配属を控えた学部3年生や,他大学から大学院進学を検討している学生の皆さんに向けて,情報を提供することを目的としています.


研究分野・特色

岐阜大学では理学部や数学科は設置されていません.その中で本研究室は,情報系に所属しながら,純粋数学としての組合せ数学から離散応用数学まで幅広い数学的テーマにも取り組める数少ない研究室です.

当研究室では,離散数学 (組合せ数学と組合せアルゴリズム) を基盤に,情報理論 (符号・暗号を含む),離散最適化,制約論理プログラミング,数理統計学などの理論から応用・実装までを対象としています.研究内容は,組合せ数学の理論研究,情報科学に現れる離散数理構造やアルゴリズムの応用研究,プログラミングを用いた実装系の工学研究など多岐にわたります.


研究活動について

研究の進め方 当研究室は理論系の研究室であり,労働集約型ではありません.基本的に,各自が自身の研究テーマを持ち,独立して研究を進めることを重視します.先輩からのテーマ継承は原則として行いませんが,学生が自力で研究を進められるようになるまで,教員が丁寧に指導します.卒論・修論では,一定のレベルの成果を上げることを目指します.

数学・応用数学寄りのテーマでは,関連する基礎知識や理論を正確に理解し,自ら考える力が重要です.情報・数理工学寄りのテーマでは,数理モデルの定式化,アルゴリズムの実装,シミュレーション実験,実験データを使った性能評価が必要です.もちろん,両方のアプローチを組み合わせて研究を進めることもできます.

学生は,自分の興味や関心に合わせて研究テーマを選ぶことができます.研究室全体としては多様な研究が行われており,学生ごとに勉強内容も異なります.このような多様性は,さまざまなテーマに触れることで視野を広げられるという利点があります.特定のテーマについて研究室内に研究仲間が少ない場合でも,指導教員がこれまでの研究経験を踏まえ,深く議論できるようサポートします.希望に応じて,個別の相談や議論の時間を十分に確保します.

研究テーマの例 サポート可能な範囲であれば学生自身の提案も歓迎します.また,教員からもいくつかの候補を提示します.提案テーマは年度によって変動しますが,主に次のとおりです.

  • 組合せ数学 (組合せデザイン理論,代数的組合せ論,代数的グラフ理論,グラフ上の組合せゲームなど)
  • グループテスト組合せテストに関する組合せ構造とアルゴリズム
  • 制約論理プログラミングを用いた組合せ問題の求解手法 (定式化の提案・実装・実験評価など)
  • 符号理論 (代数的符号理論,通信プロトコル系列など)
  • 情報理論的安全性を持つ暗号方式 (秘密分散法,カードベース暗号など物理的暗号プロトコル)
  • 各種の統計モデルにおける最適な実験計画の設計と統計解析手法

例年の卒論・修論題目は,こちらから確認できます.

予備知識 研究テーマにより,組合せ数学,グラフ理論,線形代数,確率論,情報理論,符号理論,暗号理論,統計学,数理最適化,アルゴリズム,論理プログラミングの知識が必要となります.3年後期仮配属後に実施される「情報工学セミナー」は,これらの基礎知識を身につけるための場として位置づけられています.

3年次ゼミの実施内容 例年の実施内容 (輪講用教科書・資料) は,こちらから確認できます.一部の内容は,同コースの三嶋・角田研と合同で実施します.

英語力 配属時の英語力は問いませんが,研究では (受験英語とは異なる) 英語の専門書や論文を読む力が必須です.多くの学生は,ゼミを通して英語文献の読解力を身につけています.

プログラミング能力 テーマによってはプログラミングが不可欠です.本研究室では,SATソルバーを利用するテーマがあり,そのためには対象となる問題を定式化し,ソルバーに入力可能な形式で表現する必要があります.この過程では,制約論理プログラミングやスクリプト言語を用いたプログラミングが求められます.ただし,数学のテーマではプログラミング能力にほとんど依存せずに研究を進めることも可能です

4年次以上のゼミ 4年前期は,毎週1〜2コマで数名の学生が文献紹介を行います. 4年後期や修士課程では,研究テーマに応じて少人数のグループゼミや個別ゼミが中心となります. 基本は対面ですが,必要に応じてオンライン形式にも対応しています.

学会発表 研究成果の共有のため,学会発表や論文誌投稿を推奨しています.教員は数学・応用数学,情報理論 (符号・暗号を含む),制約論理プログラミングの研究集会に定期的に参加し,運営にも携わっています.学生にも,それらの分野での聴講や発表を勧めています.


研究室生活について

コアタイム 特に定めていません.

アルバイト・サークル活動 勉強や研究に支障がない範囲で自由です.

院試の勉強時間 大学院入試準備のための学習時間は,十分に確保できるよう配慮します.

研究室イベント 食事会や懇親会などは,学生が中心となって企画します.教員も参加し,開催を支えます.

研究室内の連絡手段 研究室の Teams があり,全体連絡はそこでお知らせします.個別連絡は,主に Teams メッセージを利用します.